News and Announcements [in Japanese]
No. 41 [Jan. '97]
★地磁気センターニュース No.42/1997年3月28日発行★
1.新着地磁気データ
前回ニュース(1997年1月24日発行,No.41)以降入手、または、当センターで入力したデータの
内、主なものは以下のとおりです。(観測所名の省略記号等については、データカタログまたはデ
ータベース'GEOMAG'をご参照ください。)
Newly Arrived Data
(1)Analogue Data
Normal Run Magnetograms:
Memambetsu(Oct-Dec,1996)
Annual Reports and etc.:
Niemegk(Oct,Nov,1996), Finnish Obs.(HAN,NUR,HAN,NUR, Jan,1997)
Istanbul-Kandilli(1993,94), Toledo,LasMesas(1994)
Australian Obs.(PMG,CTA,LRM,ASS,GNA,CAN,MCQ,MAW,1994)
Fredericksburg(Jan,1997,)
(2)Digital Data
Geomagnetic Hourly Values:
Lunping(Jan,1997), Kakioka,Memambetsu,Kanoya(Jan,1997)
Chichijima(Jul-Sep,1996), Chambon la Foret(1960-96)
Geomagnetic 1 Minute Values:
Kakioka,Memambetsu,Kanoya(Jan,1997), Lunping(Jan,1997)
Hatizyo(Jan,1997), Kiruna(Dec,1996), Chichijima(Jul-Sep,1996),
Ancon(Mar,1996),Valentia(Nov-Dec,1996, Jan,1997),Chambon la Foret(1996)
Apia(1995), Alice Springs(1995), Eyerewell(1995), Tsumeb(1995;Jan-Jun,1996),
Brorfelde(Jan-Jun,1996), Hartebeesthoek(1995;Jan-Jun,1996)
Geomagnetic 1 Second Values:
Kakioka(Jan,1997)
(3)Kp Index
Kp-Index Table(Jan-Feb,1997)
なおデータの注文等は、当センター宛、書面またはFAXにてお願いいたします。
2.一時間値Dst指数の算出と配布
1996年12月までのDst指数(Provisional)を算出し、関係機関に配布しました。ご希望
の方は、郵便またはファクシミリにて、京都大学理学部地磁気世界資料解析センターまでお申し
込み下さい。
3.オンラインデータベースの更新
京都大学大型計算機に構築してN1ネットワークを通して公開サービスしていますデータベース
GEOMAGの地磁気・観測データの収集状況を集めたSDTテーブル、および観測所情報を収納
したSTATテーブル、及び当センターミニコン上のデータベース”WDC−GEOMAG”の中
身は3月17日現在の情報に更新されました。
4.Near Real-time Equatorial Dst indexのホームページでの公開について
当センターでは1985年10月分から赤道Dst指数(普通赤道を略します。なお1時間値)を算出し、
毎月Provisional Dst指数と毎年ファイナルDst指数を算出発行しております。しかしながら、特
にNASA関係者からのリアルタイムDstの要望が強く、いろいろデータを収集する方法を検討し通総
研や気象庁気象衛星「ひまわり」や柿岡地磁気観測所の協力を得てINTERMAGNETを含め各Dst観測
所とデータ収集の協議をしてきました。
昨年より、柿岡からは「ひまわり」と通総研平磯経由で12分毎に、Honolulu、San JuanからはUS
GSから毎日e-mailで、また8月にHermanusから毎日ftpで1分値を送って頂いくことが出来るように
なりました。
この4個所の通常Dst観測所からNear Real-time Dst指数を算出し10月からWWWでテスト的に見ても
らえるようにしています(URLはhttp://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jpでDst指数をたどっていって
ください−図1)。現在は説明もない状態ですが、もうしばらくしたら、教育的な説明もつけて
正式公開するつもりです。データとしてはDstの1時間値の1月分を図示しそれに数値テーブルを
付加しています。この図は各時間が分離出来るようにかなり幅の長い図になっていますので、
1024x768ドット以上の画面で見ないと横が入りきりませんし、テーブルを一遍で全部表示するに
はこれでも足りないので、スクロールしてご覧頂きたいと思います。
このWWWにはFinal Dst指数(1957年から)とProvisional Dst指数も同じ表示法で同時に公開して
おります。時間の流れでいきますと、1日遅れでNear Real-time指数が出て、Hermanusのようにチ
ェックされたデータが入ってくると随時更新されます、更に信頼性のあるデータを使用したProv
isional指数が1-2ヶ月後に出ますとNear Real-time指数から削除され、またFinal指数が出ますと
Provisional指数から削除されるという風になります。
Near Real-time Dst指数はモニターのための物ですから、予報や観測計画などにのみ公開してい
るとご理解ください。Dst指数は統計処理によく用いられますが、数年以上の長期間統計処理に耐
えられる指数はFinal Dst指数だけですので、ご注意ください。Provisional Dst指数とNear Rea
l-time Dst指数にもテーブルが表示されていますが、これはプロットでは読み取れない部分を補
う為のものですので、よほど緊急の暫定的な解析にのみお使い頂きたいと思います。特にこれら
を使用した解析を論文で数年間の統計処理をされる場合はFinal Dst指数で解析をやり直して頂
きたくお願いします。なおFinal Dst指数はWDCの1時間値フォーマットのデータファイルとしても
ftpとFloppy等で提供していますので、WWWから読み取るのでなく、データリクエストをFAX等でお
送りください。
近い将来にはAlibagとTucsonなどを加えて1分値のDst指数を提供する予定ですが、Alibagから
「ひまわり」が見えているのにインドから送信免許が出ないなどの問題が有ります。皆様のご要
望に答えたいと思いますが時間がかかると思います、それをご理解いただいた上でご要望が有れ
ばお知らせくださると有り難く思います。
5.Quicklook AE指数のホームページでのテストサービスについて
当センターでは1988年以来AE指数(Auroral Eletrojet index、1分値)を算出し提供しておりま
す。いわゆるファイナル指数として観測所の配置ができるだけ均一な12ケ所の観測所を用いたエ
ラーの少ない値を目指していましたが、主にロシアの観測所からのデータの質が劣化し、またデ
ータの収集が遅れて来たためとデータのチェックに要する時間が追いつかなくなったため、現在
1988年の半ばで停止状態になっています。その為、1990年よりデータチェックを簡略にしたプロ
ビジョナルAE指数を発行してきました、現在1993年を終え、1993年と1991年がほぼ出来ており、
もうすぐ皆様のお手元に配布できます。
プロビジョナルAEも出来るだけ多くの観測所を使用するため、かなりの待ち時間がかかり、今現
在の状態を見る必要のある、宇宙天気予報や、観測の計画などの目的に適したモニター的な遅れ
の少ない指数(Near Realtimeですが、ここではAEはQL=Quick Look AE指数と呼びます)の提供を
多くの方々から要望されてきました。
当センターではロシアのWDC-Bデータセンター、AARIやIKFIAなどと個別に交渉したり、SCOSTEPや
WDCパネルに協力して頂いたり、通総研や気象庁の気象衛星や柿岡・女満別地磁気観測所と協力し
INTERMAGNET計画に参加したりして出来るだけ遅れを少なくデータの収集が出来る方法を探ってい
ます。そのおかげで、12個所のうち8個所が1-5日遅れでデータを送ってくれるようになりました
具体的には、スエーデン(SGU)のAbiskoは1時間分を1-5時間遅れでインターネット経由で送って
くれています。ロシア(IKFIA)のTixiは実は去年3月にロシアの送信予備免許が出て、現地に行き
送信機を稼動させ6ヶ月間は気象衛星「ひまわり」で12分毎に10分遅れでデータを取れていたので
すが、AEを算出するまでに予備免許が切れ本免許のためには多大な金額での送信機の検定をロシ
ア側から要求されたので送信を停止しました。ただ、運の良いことにTixiにe-mail機能が出来た
ため現在はやや不定期で1-5日遅れながらデータを送ってくれています。アメリカ(USGS)からは
CollegeだけGOESでUSGSが収集したデータを毎日、カナダ(CGS)からもYellowknife、Fort Churc
hill、Poste-de-la-Baleineのデータを毎日それぞれe-mailで送ってくれています。アイスランド
(Iceland大学)はLeirvogurの10秒値を毎日ftpで送ってくれています。つい最近デンマーク(DM
I)も毎日e-mailでNarsarsuaqのデータを送ってくれるようになりました。
これらの観測所のデータを用いてQL指数をWWWで見えるようにしています。URLはhttp://swdcdb.
kugi.kyoto-u.ac.jpで、AEのQLのテストページをたどってください、通常のAE指数と同様1日毎の
AU,AL,AE,AO指数の毎分値プロットが提供されています(図2) 。観測所が少なく1つの観測所の
欠測が異常な変動と見えることが多いので、色表現で観測所の数を毎分毎に表示していますので
参考にしてください。また遅れている観測所のデータが到着した場合など、断りなしに更新しま
すのでブラウザーでキャシュをお使いの場合など再表示を時々かけて頂きたいと思います。
観測所のうちAE作成のみという条件でしかデータを提供してくれない一部の観測所を除き、元の
データの最近の1日はWWWのI.MAGNETやQL.MAGで見えるようにしていますので参考にしてください
データの異常(例えばスパイク)などもQLでは修正していませんので注意が必要です。残念なが
ら、AE指数ではスパイクに似た変動が有るので、利用者が増えて来たときには何らかの形で修正
をしたプロビジョナルAEを出来るだけ遅れなく発行する必要もあると思いますが、今は利用者側
で注意をして頂きたいと思います。QL指数はマニアルで処理する場合早ければ8時間遅れで1日
毎に処理することも有りますが、普通2-3日遅れだとお考え頂きたいと思います。
現在QLで使えない観測所のうちDixonは去年テレメトリーシステムを観測所に設置しに行き、現在
ペテルスブルグのAARIまでは毎日送られているのですが、ロシア側の事情でこちらには数ヶ月遅
れでオフラインでしかはいらない状況で、改善の交渉中です。Cape Chelyuskinは気象衛星「ひま
わり」で送信する計画なのですがこれもロシア側と交渉中です。Cape Wellenは電源故障のため閉
鎖され復旧できない状況で、別の観測所を開設するほうがたやすいとの話があり、ロシア側との
交渉が続いています。残る1個所はBarrowですが、USGSが送信機を設置する計画が有りますが、こ
このリアルタイムデータを有料で鉱山会社が買い取るとの話があって、ここも交渉が必要です。
このようにいろいろ問題が山積していますが、QLを提供することで、皆様からの精神的な援助だ
けでも頂けたらと思っています。
6.1996年のKp指数
1996年の1年間のKp指数のプロットを図3に示す。
contact on this page: iyemori@kugi.kyoto-u.ac.jp